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愛知県名古屋市名東区の内科・胃腸科「今井内科胃腸科クリニック」。内視鏡検査や糖尿病・高血圧などの生活習慣病の指導・改善などに評判。千種区、守山区からもアクセス良好。

禁煙治療

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今井先生の健康医学ブログ

禁煙治療の保険診療が可能です

喫煙が体に悪いということについては、これまでに多くの科学的な報告が発表されています。
禁煙をした方がいいと考えている方も多いことと思います。しかし、同時に禁煙にチャレンジしたもののうまくいかず、挫折した経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

タバコがやめられないのはその人の意志が弱いからではなく、ニコチンが強い依存性を有しているからで、このような喫煙習慣を「ニコチン依存症」と呼んでいます。

このようなニコチン依存症の方に対しては、保険診療でお薬を使って禁煙の手助けをすることが可能なのですが、施設基準の規定がありどこでも可能というわけではありません。

当院はニコチン依存症に対する禁煙治療の施設基準を満たしており保険診療が可能ですので、禁煙治療をご希望の方はお気軽にご相談ください。

以下に、禁煙治療の詳細について説明します。

保険適応の有無についてご確認ください

保険適応が可能かどうかは以下の基準を全て満たしているかどうかで決まります。
(喫煙歴がある程度あり禁煙が困難な人は殆ど該当するような基準です。)

  • ニコチン依存症であるかどうか。これは、問診テストで診断します。
  • 一日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数]が200以上
  • 1ヵ月以内に禁煙を始めたいと思っている
  • 禁煙治療を受けることに文書で同意している(通院の間隔やお薬の服用の仕方などを守って いただく必要がありますので、治療に対する同意が必要となります)

薬が効くメカニズムはどうなっているのでしょう

脳には、ニコチンが結合すると快感が生じる受容体(ニコチン受容体)があります。ニコチンがこのニコチン受容体に結合すると、快感を生じさせる物質(ドパミン)が放出されます。ドパミンが放出されると快感が生じ、さらにもう一度タバコを吸いたくなります。

これを繰り返していると、ニコチンが切れた時にイライラや集中力低下などの離脱症状(禁断症状)が出現するようになり喫煙がやめられなくなります。

これが、ニコチン依存症発症のメカニズムです。

当院では内服の禁煙補助薬を使用していますが、これは従来のニコチンパッチやニコチンガムと違い、ニコチンを含まないお薬です。薬の成分がニコチン受容体に結合し、タバコを吸った時と同じようにドパミンを放出させますので、薬を飲んでいるとタバコを吸いたくなりにくいのです。あとはお薬を内服しながら禁煙を継続し、その後薬を中止することで、以降も禁煙を継続できるようになります。

費用はいくら位かかるのでしょう

保険診療の適応があれば、費用負担が軽減されます。3割負担の方であれば、初診時には初診料・指導料・薬剤費を合わせ、2週間分で約3200円が必要になります。保険診療の場合には、初診と2週間後、4週間後、8週間後、12週間後の合計5回の受診が必要となり、負担額の合計は12週間(約3ヵ月)で17000円程になります。一箱300円のタバコ57箱分に相当しますので、タバコ代のことを考えると決して高くはありません。

禁煙治療をご希望の方は、お気軽に当院に御相談ください。

受診については、予約いりませんが、月曜日の夕診と水曜日の午前診以外の診療時間で来院いただくようお願いいたします。

喫煙による健康被害について

喫煙による健康被害については、世界中から数多くの報告が寄せられています。そのうちで代表的なものについてご紹介します。

寿命への影響

がんやその他いろいろな病気のおこる危険が高くなるため、寿命は喫煙者では非喫煙者と比べ短くなることが想像されます。実際、英国の研究では喫煙を続けることで寿命が平均10年短くなり、35歳の人が70歳まで生きていられる確率が、非喫煙者の81%に対し、喫煙者は58%と報告されています。

がん

たばこには発がん性物質と発がん促進物質の両方が多数含まれているため、さまざまながんを発生しやすくします。

特に肺がんについては、喫煙者の死亡率、疾病率ともに非常に高い数値を示しています。
「1日の喫煙本数×喫煙年数」が600を超えると、肺がんの中の扁平上皮がんは発症率が非喫煙者の21倍以上になり、腺がんも2.38倍となります。

肺がん以外にも耳鼻咽喉科領域のがんで危険は高くなりやすく、喉頭がんは非喫煙者の23.8倍との報告もあります。喫煙によるがんの悪影響は下図のように報告されています。

喫煙によるがんの悪影響 鼻腔・副鼻腔がん:4.0倍 口腔・咽頭がん:2.5倍 喉頭がん:23.8倍 食道がん:2.2倍 肺がん:4.5倍 肝臓がん:1.5倍 胃がん:1.5倍 膵臓がん:1.5倍 膀胱がん:1.7倍

心筋梗塞や脳卒中

心筋梗塞や脳梗塞のもとになる動脈硬化は喫煙によって進行しやすくなります。
その結果、タバコを吸っている人では吸っていない人に比べ、心筋梗塞の発症率が男性で3.64倍、女性で2.90倍高くなります。また、脳卒中の発症率は男女合わせて2.8倍高くなります。

ただし、心筋梗塞は禁煙を続けることでタバコを吸っていなかった人とほとんど同じレベルまで危険を減らすことが期待でき、脳卒中も数年禁煙を続けると危険を半減することが期待できます。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDとは男性に多く見られる肺の病気で、現在40歳以上の日本人の12人に1人がCOPDと考えられています。この病気の原因は空気中の有害物質による肺の傷害であり、その主たるものが喫煙です。COPDの人が喫煙を続けると病状は増悪の一途をたどり、最終的には酸素吸入を一日中必要とする様な状態になってしまいますので、何よりも禁煙が重要となります。

妊娠と出産

喫煙している人は不妊のリスクが高くなり、妊娠しても流産や早産の危険が高くなってしまいます。喫煙の悪影響は女性の方が受けやすいという報告もありますし、女性は妊娠していなくても禁煙することをお勧めします。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は女性に多く見られる病気で、年齢とともに骨の密度が低くなり、進行すると転倒したり重い物を持ったりといった、ちょっとした衝撃で骨折してしまいます。こういった骨折がもとで高齢者の活動範囲が狭まってしまい、ひどい時には寝たきりになってしまいます。喫煙により骨粗鬆症の危険が高くなることも報告されています。

喫煙は上記以外にも体への悪影響を引き起こす原因となります。少しでも早くに禁煙することで、これらのリスク軽減が可能であることが証明されています。クリニックでは内服薬を使用する、成功率の高い禁煙治療を行っています。ニコチン依存症と診断された方には保険適応もできますので、お気軽にご相談ください。

喫煙は美容にも悪影響

喫煙による健康被害については先に説明しましたが、ここでは喫煙被害についてちょっと変わった視点から見てみたいと思います。それは、喫煙による美容・老化への悪影響についてです。

タバコを吸っていると年を取って見える?

喫煙者の顔貌を称してsmoker’s faceと呼ぶことがありますが、その特徴は「ほほがげっそりこけている」、「顔色が暗く沈んでいる」、「口唇が紫色」、「深いしわが刻まれている」、といったものです。これらはタバコが持つ有害物質などの影響によって現われてくるのですが、そういった外見に加え「口臭がする」、「声がガラガラ」などの要素も加わってきてしまいます。あまり良いイメージではありませんよね。

衝撃のsmoker’s face !!

smoker’s faceをわかりやすく示してくれた写真があります。

衝撃の写真はこちらから
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/1566191.stm

この写真はイギリスの放送会社のBBCが2001年に掲載した記事からのものですが、当時22歳の一卵性双生児の二人を1人はその後喫煙した場合、もう1人は一切喫煙しなかった場合に分け、40歳になった時の顔を科学的に予測し特殊メークを施したのです。左が喫煙していた場合のものですが、明らかに年を取っているように見えます。

一卵性双生児なので元々の遺伝子が同じ二人ですから、これからの20年近くの時間を喫煙するかどうかだけでこれほど違ってきてしまうというのはショッキングですね。

この時のBBCの記事は、女性が喫煙をすると男性よりも悪影響を受けてしまうが、そういった健康被害に対する意識の低い女性があまりにも多すぎるということを警告する内容の記事で、そこに問題の写真が掲載されていました。

実在する双子の比較写真でも、どちらが喫煙者か明白です

先程の記事はシミュレーションでしたが、実際の双子での比較写真もあります。

実際の写真はこちらから
http://www.antell-md.com/zest.html

ここには二組の一卵性双生児の比較写真が載っています。上の方の写真は、左側の女性は喫煙せず日光に殆ど当たっていない方、右側の女性は喫煙習慣があり日光を沢山浴びていた方の比較です。下の写真は、左が喫煙も飲酒もしたことがない方、右が毎日一箱30年間喫煙し飲酒を日常的にしていた方の比較写真です。実際の写真もやはり喫煙者の方が年を取って見えますよね。

この写真はアメリカ・ニューヨークで美容整形外科医をしているダリック・アンテル医師が明らかにしたものです。彼はそれまで30組以上の双子の手術を行ってきたが、全く似ていない一卵性の双子が多いことに興味をかきたてられました。そこで、オハイオ州ツインバーグで年に一度開かれる「双子まつり」で数百組の双子に写真を撮らせてもらい、食事や睡眠などライフスタイルについてのアンケートを行いました。その中には美容整形の前後と間違うほど劇的に違う人たちもおり、アンケート調査からライフスタイルの選択が老化に大きな影響を与えることがわかりました。

そして、双子に最も変化を与えた生活習慣が喫煙でした。彼はアンケート調査の結果から老化を促進する重要な原因は喫煙の他、日焼け、ストレスであるということを報告しました。

禁煙するなら少しでも早くに

20歳頃から喫煙を始めたとしてsmoker’s faceが出てくるのは40歳になった頃と言われています。健康被害と言うとずいぶん年をとった頃に起こる影響のように感じてしまいますが、美容への影響はもう少し早い年齢で実感することになると思います。

当然同じような変化は男性にも起こりますし、喫煙者が禁煙を考えた場合、少しでも早い年齢で実行に移した方が良いと言われています。

クリニックでは内服薬を使用する、成功率の高い禁煙治療を行っています。ニコチン依存症と診断された方には保険適応もできますので、お気軽にご相談ください。

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